【マズローの欲求5段階説】を理解して、理想の自分になろう!知っていて損はない心理学

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こんにちは!シャム猫です。

ビジネスシーンでマーケティング戦略を立てたり、自分のモチベーションを高めたりするのに「マズローの欲求5段階説」を利用することが多いのではないでしょうか?

マズローの欲求5段階説とは、人間の欲求には5つの段階があるとする心理学理論です。「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」という仮説をもとに作られ、一番下の生理的欲求からクリアしていき、最終的に自己実現に達するという理論です。

自己理解を深めていくにあたってこの理論はとても役に立ちます。

ということで今回は、マズローの欲求5段階説について解説します。

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マズローの欲求5段階説とは

マズローの欲求段階説とは、アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローによって考案された人間の欲求を5段階のピラミッド構造で表す心理学理論です。


欲求はピラミッド階層になっており、以下の図のように1段目の欲求が満たされれば2段目の欲求を満たそうとする心理的な行動について述べたものになります。


人間が皆持っている5つの欲求とは以下。

❶生理的欲求

➋安全の欲求

❸社会的欲求

➍承認欲求

➎自己実現欲求

5つのうち最も低次な欲求は「生理的欲求」。空腹を満たす、睡眠をとるなどの最低限生命を維持したいという欲求です。

たとえば、裸一貫で孤島に流れ着いたとしましょう。何もない誰もいない孤島でまず何を求めますか?それはきっと食べ物ではないでしょうか?食べ物がなければ飢え死にしてしまいます。寝る場所がなくて話し相手がいなくてもしばらく死ぬということはありませんが、食べ物がないと生命の維持に係わってきます。寝る場所(安全の欲求)や話し相手(社会的欲求)はまず食べ物を確保してから湧いてくる欲求なのです。

アブラハム・マズローとは


アブラハム・ハロルド・マズロー
(Abraham Harold Maslow, 1908年4月1日 – 1970年6月8日)は、アメリカ合衆国の心理学者。

ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に生まれる。彼は人間性心理学の最も重要な生みの親と言われている。これは精神病理の理解を目的とする精神分析と、人間と動物を区別しない行動主義心理学の間の、いわゆる「第三の勢力」として、心の健康についての心理学を目指すもので、人間の自己実現を研究するものである。彼は特に人間の欲求の階層(マズローの欲求のピラミッド)を主張した事でよく知られている。

出典:Wikipedia

マズローの欲求5段階説

マズローの欲求5段階説を段階別に見ていきましょう。

1.生理的欲求

ピラミッドの一番下の段の、最も基本的な欲求が「生理的欲求」です。生理的欲求は、生命活動を維持するために不可欠な欲求を指します。どういった欲求かというと、食欲・睡眠欲・性欲いわゆる「3大欲求」のほかに、呼吸がしたい、排せつをしたいといった必要最低限の欲求が生理的欲求に当たります。

ピラミッドの段階を進むには、まずこの生理的欲求が満たされなければいけません。たとえば、もっと勉強したいと思ってもお腹が減った状態では集中することはできません。もっと友達と会話がしたくてもトイレを我慢していてはそれどころではなくなってしまうはずです。

生理的欲求は、ピラミッドの一番下つまり土台であり、人間がまず抱く欲求であり満たすべき欲求なのです。

2.安全の欲求

生理的欲求が満たされると、次の段の「安全の欲求」が現われます。安全の欲求とは、身体的に安全でかつ経済的にも安定したいといった、良い健康状態を維持したいという欲求です。

たとえば、経済的に不安定で明日の生活さえもままならない環境であったり、持病を抱えていて働くことが困難な場合、生活の快適さは損なわれてしまいます。

いつ生活が脅かされるかわからない不安定な状態から逸脱し、身体的に満足な状態で安心して暮らしたいという欲求が、安全の欲求です。

3.社会的欲求

社会的欲求とは、家族や会社など何らかの社会集団に所属して満足感を得たいという欲求です。「愛情と所属の欲求」とも呼ばれます。

自分が孤独な存在ではなく社会の一員であると認識して生活したいという欲求で、自分を受け入れてくれる親密な他者の存在を求めることを指します。

生理的欲求と安全の欲求が満たされていたとしても、話し相手がいなくて受け入れてくれる人もいないような生活では、とても寂しい思いをします。こういった「どこにも属していない」という寂しさが社会的欲求として現れます。物質的な満足だけでなく孤独を払拭する存在が不可欠、ということです。

4.承認欲求

どこかしらの社会集団に属し社会的欲求が満たされると、集団に所属するするだけでなく、所属する集団の中で高く評価されたい、存在価値を認められたいという承認欲求が現われます。

コチラで詳しく書いてます↓↓

会社で評価されて地位を求める「出世欲」もこの欲求の1つに当てはまり、外的(物質的)部分を満たしたい第3段階までとは異なり、内的(精神的)な心を満たしたい欲求へと変わります。この欲求は第3段階における「帰属」の欲求が前提となっており、他人からの称賛を求める欲求はそのあとの自然なことであります。会社に勤めるようになった→役職に就きたいと思う、といった欲求のことです。

承認の欲求には、「低いレベルの承認の欲求」と「高いレベルの承認の欲求」があり、低いレベルの承認欲求は、周りに注目されたり尊敬されたりすることを求める欲求を指します。高いレベルの承認欲求は他人からの評価ではなく、自分で自分を評価できるか、認められるかがポイントになります。

5.自己実現の欲求

自己実現の欲求とは、自分らしく生きていきたい、自分にしかできないことを成し遂げたいという欲求のこと。第1段階から第4段階までの欲求が満たされていれば、生活に困らず社会的にも評価されている状態になります。しかしそのような満たされた状態であっても生まれる欲求が自己実現の欲求なのです。

たとえば、会社で評価され給料がよくても、その人が本当は「陶芸家になりたい」という夢を捨てきれずにいるのだとしたら…。理想と現実の狭間で悩み、満足しきれないものを感じてしまうでしょう。この不満足感を払拭し、少しでも理想に近づきたいという欲求こそが自己実現の欲求に当たります。

私たちの欲求が完全に満たされるには、社会的に成功するだけでなく、理想と現実の同一化を目指す=自己実現を果たすことが必要なのです。

自己実現の欲求についてマズローは以下のように述べています。


自分自身、最高に平穏であろうとするなら、音楽家は音楽をつくり、美術家は絵を描き、詩人は詩を書いていなければいけない。人は、自分がなりうるものにならなければいけない。人は、自分自身の本性に忠実でなければならない。このような欲求を、自己実現の欲求と呼ぶことができるであろう。

出典:「人間性の心理学」

6つ目の欲求

人間の欲求は「生理的欲求」~「自己実現の欲求」までの5段階に分けられると解説してきましたが、マズローは晩年に「自己超越欲求」という第6段階目の欲求を付け足しています。

自己超越欲求とは、「自分だけでなく、ほかの人々も豊かにしたいという欲求」のことです。自己実現を果たしたその先にあるのは、自分ではない誰かのためへの欲求へと超越する、ということです。マズローいわく「自己超越」の領域に達することができるのは全人類の2%程度だと、第6の欲求の実現を目指すのは稀なケースとされています。

人が何か大きなイノベーションを起こそうとするとき、その動機がお金儲けや承認欲求であるとなかなか難しい、私利私欲のためにやるのではなく人のためにやる、といった精神がなければ到達できないともいわれています。

聖マリア学院で校長を務めていたマザーテレサが、校長を辞め貧困と疫病の酷かった土地で学校や孤児院を開設したのは、彼女が自己超越まで到達していたからだといわれています。よくセレブや富豪が慈善活動をしたり大規模な寄付をしたりしているのは、自己超越の欲求を具現化したものと捉えられます。寄付や慈善活動と聞くと、「どうせ偽善だろう」と疑う人もいますが、マザーテレサのように「自己超越」の欲求に突き動かされ世界のことを尊ぶ純粋な思いから慈善活動を行っているのを考えると、お金や名誉が動機だとは考えにくですよね。

欲求の分類

マズローの欲求5段階説におけるそれぞれの欲求は、性質に応じてグループ分けされることがあります。

生理的欲求・安全の欲求は、生命維持に必要な物質などにかかわる欲求なので、『物質的欲求』、社会的欲求・承認欲求・自己実現の欲求は、非物質的で心の満足度にかかわる欲求なので『精神的欲求』に分けられます。

また別の分類では、生理的欲求~承認欲求は自分にとって不足している部分を埋めようとする欲求なので『欠乏欲求』、自己実現欲求は、欠乏がすべて満たされた上でより自分を高めようとする欲求なので『成長欲求』と区別されます。

【欲求の分類一覧】

パターン①:物質的 / 精神的
物質的欲求:生理的欲求・安全の欲求
精神的欲求:社会的欲求・承認欲求・自己実現欲求

パターン②:欠乏 / 成長
欠乏欲求:生理的欲求・安全の欲求・社会的欲求・承認欲求
成長欲求:自己実現欲求

分類パターンを理解することで、マズローの欲求5段階説をより深く理解することができます。

金銭欲求はないの?

「欲しいものは何?」と聞くと『お金』と答える人も多いですが、マズローの欲求5段階説に「お金が欲しい(金銭欲求)」という欲求が入っていません。それは欲求を満たすためにお金が必要なのであって、お金自体を求めているわけではないからです。

つまり、お金は直接的な欲求ではないのです。

❶「お腹いっぱいご飯が食べたい」⇒『生理的欲求』
➋「安心できる場所に住みたい」⇒ 『安全の欲求』
❸「友達・彼女を作りたい」⇒ 『社会的欲求』
➍「他人から注目されたい、認められたい」⇒ 『承認欲求』
➎「理想に近づきたい」⇒ 『自己実現の欲求』


これらの欲求はお金が手に入れば満たされるものでしょうか?

「お金を稼げるようになったのになぜ幸せじゃないのだろう?」と思うのは、自分の欲求を理解していないからで、マズローの欲求段階説を理解することは自分の欲求と向き合うことに役立ちます。

まとめ:自分の欲求はどこ?

今回は、マズローの欲求段階説について解説しました。

自分は今どの段階にいますか?

承認欲求が満たされていない場合は「どういったアクションを起こせばいいのか?」を考え、自己実現の欲求が満たされていない場合は「どんな精神で行動すればいいのか?」を考えれば、自分の欲求を満たすことに繋がっていきます。

自分の欲求と向き合うことで自分の不足した欲求を満たしもっと成長するために、マズローの欲求5段階説を活用してください。

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