こんにちは!シャム猫です。
『承認欲求』という言葉をご存じでしょうか?
承認欲求とは、「他人から認められたい」「自分を価値ある存在として認められたい」と思う欲求のこと指します。
一概に承認欲求と言われましても、「承認の欲求?」という方もいると思いますので、具体的に説明していきます。
『承認欲求』とは?
『承認欲求』とは、他人に認められたいと思う気持ちのことです。
・「自分が役に立つ存在であることを認めてもらいたい」
・「大切にしてもらいたい」
・「気にかけてほしい、かまってほしい」
と感じる欲求です。
大人子供関係なく誰しもが抱く気持ちではないでしょうか?
その『承認欲求』は、大きく分けると2つのタイプに分類できます。
②自己承認:自分で自分を認めたい欲求(高いレベル)
①他者承認欲求とは
他者承認欲求とは、社会的地位や名声を得たいと思う欲求や、SNSで「いいね」をたくさん欲しい、注目を浴びたいといった他者からの称賛や社会的地位を得ることなどを通じて満たすことができる欲求のことを指します。一般的に使われる『承認欲求』は、この他者承認欲求にあたります。
他人から承認を得られるかどうかは、他人の感じ方に委ねられています。無理をして嫌な仕事を引き受けたのに、思っているような評価が得られなかったりすると、仕事に対してのモチベーションが下がってしまいます。言い換えると、自身の存在価値を他者からの評価に依存してしまうことになります。
このように他者からの承認を得ることに固執してしまうと、自分の感情を押し殺してしまう危険性があります。他者承認欲求はあくまでも低次の承認欲求であって、この欲求に留まることは危険だということです。低次の他者欲求に固執するのではなく、高次の自己承認へ移行していくことがポイントとなります。
②自己承認欲求とは
自己承認は自分の存在価値を自分の物差し📏で考えることができます。そのため、他者に依存することなく承認欲求を満たすことができます。スキルアップしたり能力を高めたりすることで、自分を認めるかどうかは自分次第です。自身の課題クリアに対して満たされれば、心から満足することができます。
一方で、理想の自分像を掲げすぎると、過程での不満や課題の未達成などによって自信を失ってしまう場合もあります。自分自身に高い課題を課すことは、自身のモチベーションを挙げる有効な一手になりえますが、課題をクリアできなかったときにモチベーションダウンにつながるリスクもあります。自分が掲げたことをクリアできず、自身を過小評価してしまい自信を失ってしまうと、他者に承認を依存しやすくなります。
このループに陥らないようにするには、掲げる課題を一気に高くするのではなく、少しづつ基準を上げていくことがポイントとなります。
現代人は承認欲求が強い?
人間特有の欲求ともいわれる承認欲求は、時代とともに変化してきています。「現代人の承認欲求は高い」といわれる現在ですが、どういった背景からきているのでしょうか。
①SNSの時代
スマホ時代といわれる現代では、子供から大人までSNSで共通の趣味や同じ目的のもとに集まり、自分と同じように考えている人や、自分の悩みに共感してくれる人がいることで、自分の存在価値が高まっていると実感します。
また、「イイネ」など個人の発信に返信が付いたりコメントが付く時代であり、SNSでは他人から容易に評価されやすく「影響力がある」と他者から評価されたい欲求に依存しやすくなるため、SNS上での評価に振り回されやすくなるのです。
令和2年版の総務省が発表した情報通信白書によると、年代別SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)において、全体として73.8%の国民がSNSを利用しており、年代別にみると、20代の利用率が最も高く(90.4%)続いて10代で86.1%、30代で86.0%とSNSに依存していることがわかります。
出典:総務省「通信利用動向調査」
SNSの普及によって、個人が社会に対して手軽に情報を発信できるようになりました。その発信に他者がリアクションできるようになったことが承認欲求の高まりに拍車をかけたといえます。他者から承認されたいといった感情とSNSの普及が相まって、現代人の承認欲求が高まっていくきっかけになったことは間違いないと思います。
②時代背景から
時代とともに価値観も変化していき、かつての日本社会における社会的なステータスは、有名大学を卒業して上場企業に就職し高い給料をもらうというものでした。これが他人から認められる最もわかりやすい指標でしたが、現代は新しい価値を提供するベンチャー企業や実力ある個人が活躍する時代となっています。
言い換えれば、個人が企業の中に埋もれていた時代から、個人が前面に出る時代へと変わってきたといえます。こういった時代の変化の中で、社会からは価値を生み出す「ひとり」としての個人に注目が集まるようになりました。
このような時代背景の変化も、承認欲求の高まりに影響を与えているといえます。
③家庭環境が影響している
承認欲求が強くなる理由は、一概に説明できるものではなく様々な理由が考えられますがそれらの中でも家庭環境が特に影響があると考えられます。
両親からの愛情不足
人間が生まれて初めて築く人間関係は、両親との関係です。
両親との関係において、十分に愛された経験があると、「自分は人から愛される存在なんだ」という自己認識が形成され、それが人間関係の原型となっていきます。この自己認識を通じて人は自分で自分を認めるようになっていきます。
しかし、十分に親から愛されなかった場合、この自己認識が形成されないために自分で自分を認めることが難しくなります。
その結果、自分から認めてもらえない欲求の不満を他者から認めてもらうことで補おうとするため、承認欲求が強くなります。
認められた経験が少ない
十分な睡眠がとれている人は、それ以上に睡眠を求めることはありませんが、睡眠が十分でない人は強く睡眠を求めます。
同じように、他者から認められる機会が十分にあった人は、他者から認められることをそれほど必要としませんが、他者から認められた経験があまりない人は、欲求が満たされず他者に認められることを強く求めます。
そのため、承認欲求が強くなります。
共働きの増加
時代とともに共働きが当たり前になってきて、多忙な大人たちは子供と向き合う時間が少なくなってきています。一緒に過ごす時間が少なくなれば向き合う時間も減ってしまい親に褒められる機会も減ってしまいます。そのため、親の承認を受けられずに日常を過ごす子供たちが増えてきているとされています。
「自分が取り組んだ物事について大人に褒められる」という幼少期の経験が、大人になってからの承認欲求の強さに影響するとされています。
承認欲求を満たす承認
では、人の承認欲求を満たすためにはどういったアクションを起こせばよいのでしょうか。順番に行うと承認欲求を満たせる3つの承認をご説明します。
②「行動承認」行動を褒める
③「結果承認」結果を褒める
①存在承認
存在承認とは、その人の存在、自分の存在そのものを承認することで「あるものをあると認める」ことです。承認欲求を満たすうえで最初のステップとなります。
・強味・長所を伝える
・変化を伝える
ただ挨拶するのではなく、名前を呼んで挨拶する。ただ感謝を伝えるのではなく、名前を呼んで伝える。「○○さんは積極的だね」「明るいよね」「髪切った?」など、自分が気づいていても気づいていなくても自分の強みや変化に気づいてくれているだけで「自分の存在が認知されている」ということに繋がります。
②行動承認
行動承認とは、今取り組んでいる事に対して、目指していた結果が出なかったとしても、その行動や事態を褒めることです。結果にではなく目標に向けてどう動いたかに注目して、プロセスや努力したことを褒めることで承認します。
人は自分の行動や努力を褒められるとモチベーションが上がるもので、人のやる気を出すのに効果が高いです。
③結果承認
結果承認とは、「達成した」「クリアした」ことについて褒めて承認することです。たとえば「目標ノルマを達成した」「目標点数をクリアした」といった結果を評価し褒めて承認します。
結果承認は、プロセスではなく結果に注目し褒めるため、「次も結果を出さないと認められない」と思いやすいことには注意が必要です。
なるほど…
人の承認欲求を満たす承認は、3つの段階があるのだな
承認欲求が強い人のメリット・デメリット
ここまで承認欲求が高くなる理由を述べてきましたが、承認欲求が強い人は周囲にどういった影響を与えるのでしょうか?メリットとデメリットを考えていきましょう。
■承認欲求が強い人のメリット
①モチベーションが高い
承認欲求が強い人、特に他者承認欲求が強い人は「人から認められたい」「人から褒められたい」という思いが人一倍強いので、認められるための努力を惜しみません。
たとえば、会社で上司から仕事ぶりを高く評価されれば、「もっと頑張ろう」とモチベーションを高く維持することができます。組織の中で、そういったポジティブな影響は周囲にも相乗効果を発揮し組織全体の成長にもつながります。つまり、結果を出すためにモチベーションが高まること=メリットといえるでしょう。
②成果が出やすい
目に見える成果を上げることで他者からの承認が得られることで、結果に対してのこだわりが強くなります。他者承認欲求が強い人に見られる傾向です。「結果を出す」=「認められる」という思考から常に真面目に取り組みます。こういった姿勢は、ノルマ達成や成績アップなどの成果をもたらします。
さらには仕事ぶりを承認されることで、「適切に評価してくれている」「自分のことを見てくれている」という安心感を得ることができます。
③自信がつく
他者から自分を認めてもらえれば、自己肯定感が高まります。自己肯定感は、自分の価値や存在意義を受け入れられることで、自己肯定感が高まり自信につながります。
自信がつくことで、より高い目標にチャレンジしようという意欲も湧きます。自己承認欲求が高い人に特に見られる傾向ですが、自信を土台にしてチャレンジする姿勢は周囲にも好影響を与えます。
■承認欲求が強い人のデメリット
①自己肯定感やモチベーションが下がりやすい
承認欲求が強い人は、「承認されること」がモチベーションになっています。そのため、承認される機会が少なくなって「努力を評価してくれない」「承認してくれない」と感じると、どんどんやる気を失くしてしまいます。
普段モチベーションが高い人がモチベーションを下げると、付随する周囲のモチベーションにも悪影響を及ぼしてしまいます。自分自身を評価し認めてあげることが必要なってきます。
②人間関係が悪化する
承認欲求が強い人は自分が認められるようにするために、過度にアピールしてしまうことがあります。そうすることで、周囲の人に悪影響を及ぼし付き合いにくい人だと判断されてしまいやすくなります。
組織での人間関係の悪化は成果にも悪影響を及ぼすことになりかねません。過度の承認にはネガティブな影響を与えるリスクがある=デメリットといえます。
③承認されることが目的化される
承認欲求が強い人の動機は、他者から承認されることです。
頼まれごとをされたときに「本当は引き受けたくない…」と思っていても、引き受ければ他者から認められると思い込み引き受けてしまいます。ですが、頼まれごとの全てを引き受けても認められるわけではありません。
承認されることを目的化してしまうとプロセスや結果がないがしろになり、承認されることが基準になってしまい手段が目的化されてしまいます。
承認欲求をもっと詳しく知りたい方はコチラ↓↓
まとめ
今回は、「承認欲求」について説明しました。
承認欲求とは、「他者から認められたい」「自分を価値ある存在として認められたい」という願望です。承認欲求という言葉は、マズローの欲求五段階説の下(低次)から4つ目の欲求として分類されています。マズローの欲求五段階説とは、低次の欲求を満たすことで、人はより高次の欲求も満たしたくなるという段階を5つに分けて整理したものです。
その中で承認欲求は、精神的・内的・欠乏欲求として分類され、家庭環境や時代の変化に左右されやすい欲求です。承認欲求を理解することは、自分のモチベーションをコントロールしたりマーケティング戦略を立てる際にとても参考になります。ぜひ押さえておきましょう。
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