新興感染症の病原体宿主はコウモリ!?感染症の知識を深めよう!

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2020年4月6日に、アメリカのニューヨーク市のブロンクス動物園で飼育されているマレートラが、新型コロナウイルスに感染していることが判明しました。

マレートラのメス「ナディア」(4歳)は、3月末から空ぜきなどの症状を示していました。アメリカでヒトから動物への感染判明は、最初のケースとみられています。

感染経路は判明していませんが、ナディアを世話をしていた飼育員からの感染とみられています。ブロンクス動物園によると、他に3頭のトラとアフリカライオン3頭もせきをしていて食欲が低下していたということですが、回復傾向にあるといいます。

新型コロナウイルスの原因ウイルスは、『コウモリ』であるといわれていますが、実際のところは断定できずにいます。

しかしながら、コウモリを何年もかけて研究している中国の研究者、石正麗氏(55)によると、2013年に雲南省で採取したコウモリのサンプル遺伝子配列は、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスのものと約96%一致するとしています。

 

シャム猫
シャム猫

96%… すごい数字だ!!

となると新型コロナの原因ウイルスはコウモリなのかな?

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コウモリが感染させるウイルス

2022年1月新型コロナウイルスに続きオミクロン株が流行している現日本ですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はSARS(重症急性呼吸器症候群)と同じ人獣共通感染症であります。


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🐪人獣共通感染症

人獣共通感染症とは、ヒトとそれ以外の脊椎動物の両方に感染または寄生する病原体によって生じる感染症のことです。感染している動物との直接接触やその糞や毛垢などを介して再感染が起きます。

いろんな種類の動物がペットとして飼われる機会が増えたことなどによって、従来ではあまり知られていなかった病原体が社会に突然現れます。

このように新興感染症として現れた場合、未だヒトが免疫を得ていないために大流行を引き起こす危険性が高く、診断や治療方法ができていないため制圧が難しくなるのです。




人獣共通感染症はヒトの感染症の60%以上を占めるといわれています。
世界で毎年約10億人が病気になり、数百万人が死ぬ病気です。

病原体(ウイルス)が自然宿主としている野生生物はコウモリが多く、コウモリの次は霊長類、齧歯(げっし)類になるようです。

コロナウイルスも人獣共通感染症で、最初に発見されたのは1965年という新しいウイルスで、『SARS』が流行した時に注目されました。SARSの自然宿主は当初、ジャコウネコと考えられていましたが、後に、同じウイルスがコウモリから発見され、現在ではコウモリのSARSウイルスが共通の祖先としてヒトとジャコウネコに感染したとされています。

また、MERSウイルスも『コウモリ⇒ヒトコブラクダ⇒ヒト』と感染したと考えられその結果、コウモリがヒトに対して新たに出現するウイルスの主要な感染源であると考えられるようになりました。

自然宿主(コウモリ)おとび中間宿主(ラクダ)では顕著な臨床症状を示さないが、人に感染した場合に重篤な健康被害を引き起こす。出典:名古屋大学

 

シャム猫
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ますます信憑性が増してきたな…汗汗

🦇コウモリはウイルス貯蓄庫


コウモリという生物の大きな特徴は、900種類を超える種類の多さです。哺乳類の約20%を占めているとされています。

分布域も広く、哺乳類ではヒトとネズミなどの齧歯類、クジラ類と同じように地球上の広い範囲に棲息しています。

また、哺乳類の進化の中では比較的原始的、自然なまま生きてきた生物で、多くの哺乳類が持つ遺伝子物質の原型を持っています
要するに、コウモリの古い形質の遺伝子で保存されてきたウイルスは、変異するとほかの哺乳類へ感染する能力を持ちやすいということになります。

種類によってはかなりの長距離を移動するコウモリもいます。広範囲に移動するということは、それだけの広い範囲にウイルスを感染させる能力があるということになります。

また、コウモリの寿命は長く、30年以上も生きる種もいます。コウモリが冬眠するとウイルスもともに冬を越し、長い期間、生きながらえることができます。

コウモリというと湿気の多い場所やあまり清潔ではない暗がりで遭遇することが多いですよね。そもそも個体数の多いコウモリの集団が洞窟などに密集することで、ウイルス感染のパンデミックを起こしやすいのです。

まとめるとコウモリは、長距離を移動して広い範囲に棲みつき、ウイルスが好みやすい環境に大集団で棲息しプリミティブ哺乳類であるがためにほかの哺乳類にウイルスを感染しやすい特徴を持っているということになります。

こうした特徴を持つコウモリの生息域は、自然破壊によって劣悪な環境で暮らさざるを得なくなってきています。地球温暖化によって分布域も変化し、これまでヒトと接触しなかった種類のコウモリが身近に現れるようにもなってきています。
コウモリのウイルスがヒトに感染しやすい状況になってきているといえます。

どのウイルスもコウモリが宿主とみられるが、ヒトに感染するまで別の動物を介している。引用:KADOKAWA文庫


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まとめ

コウモリの生息域の変化にともなって、接触機会が増えることで、ヒトがコウモリからウイルス感染する可能性が高くなっています。

ヒトも集団で密集して生活し、長距離を移動します。新種のウイルスを感染させるには最適の生物であるといえます。
世界にはコウモリを食用にする地域もあり、コウモリが新型コロナウイルスの発症源と考えるのも自然な流れといえますよね。

全世界の歴史的なパンデミックを教訓にして、新種ウイルスの感染リスク対策をするのも悪くないですよ。


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