社会人の基本といわれる「報・連・相」はほとんどの人がご存じだと思いますが、最近では「ほう・れん・そう」よりも「かく・れん・ぼう(確・連・報)」で、自発的な人材が育つのではないかと注目を浴びています。
「かく・れん・ぼう」はまだ馴染みのない言葉ですが、どういった意味が込められて使われているのでしょうか。
「報・連・相」「ほう・れん・そう」
「報・連・相」という言葉はビジネスパーソンにとってはもはや常識になっています。
詳しくはこちらでご紹介しています👆👆
「相談」は必要?
「報・連・相」の「相談」の目的は、判断に困ることなどについて上司や同僚に意見を聞いたり助言をもらうこととされています。
1人では解決できないことで、唯一”質問”という性質を持っています。
仕事上に支障のあることについての相談は意味のある時間とも思えますが、ある視点からは「困ったときに『相談』ばかりとなると、いわゆる『指示待ち人間ばかり』になる可能性がなきにしもあらずです。自分で究極まで考えずにちょっと困ると上司に『相談』ということでは、逆に『人材育成』にならない」といった意見もあります。
確かに相談の内容が少し考えれば答えにたどり着けるようなものばかりであれば、その人が相談することで成長しているとは思えませんが、現状から更なる飛躍が望めるような相談であれば必要なものであるとも考えられます。
人材が育たない
欧米の多くの大企業の職場では、人材を育成するといった発想がほとんどないそうです。簡単に言うと「出来上がった人材」「完成された人材」を採用する経営なのです。
欧米企業は、もとより日本とはまったく異なる評価システムで、自分で育つことをしない人は「いらない」といった考え方なのです。できない人はあっさり切られることもあります。
これらから考えられるのは、「相談」をなくしても個人で成長できる人材が重宝されるということです。
日本では、組織の成長は社員一人ひとりの成長が不可欠とされています。売上数字だけを伸ばすのではなく、組織の基盤である人材を育成することで数字を伸ばすやり方です。
更なる社員のスキルアップのためにOJTや研修など盛んに行っている企業もあります。
ですが、「相談」はしっかりしているが成長がみられない、では人が育っているとは考えにくいですよね。
「自分で考えて実行する人間」を育てなければという課題は残ります。
「かく・れん・ぼう」
「かく・れん・ぼう」とは、確認・連絡・報告を略したもので、「確・連・報」となります。
かくれんぼうが注目されるようになったのには、報連相の「相談」の部分に問題点があるとされるからです。
「自分で判断できないことを、判断できる人に相談する」ことを推奨してしまうと、「相談して自分は考えない」といった思考に陥る危険性が潜んでいます。
自発的な人材を育てるという観点からはおススメできないアクションであり、コミュニケーションの基本を「相談」から「確認」に修正しようとするわけです。
「かくれんぼう」の「確認」
かくれんぼうの「確認」は、たとえば部下が「こういうやり方にするともっと良くなると思います。このやり方を取り入れていいですか」「ここでつまずいているのですが、これを打開するためにこの方法を考えました。この方向で取り組んでもよろしいですか」といった案を「確認」し、それに対して上司がゴーサインを出すことで人材は育っていくのではないか、といった見方です。
すべての案にゴーサインを出すわけではなく、NGの場合はフィードバックをして、より良い方法を導き出すのです。
考えを提案するアクションを取り入れることで自発的な人材を育てるのですね。
まとめ
近年では、コミュ障(コミュニケーション障害)という言葉あるほどコミュニケーションが苦手な人が増えているのかと感じます。社会人の基本として「かく・れん・ぼう」を取り入れることには賛同します。
ただ、報連相を完全になくすわけではなくその企業に合った方法をマッチングできればと考えます。
個々の能力が集まった育成体制の整っていない企業では「かくれんぼう」、育成体制が整っている企業では「報連相」と、使い分けるのがよいかなと感じています。
環境に応じた使い分けは、上司・部下ともに成長するきっかけになることでしょう。
※おすすめ関連記事はコチラから↓↓